ノロウイルスとは?
ノロウイルスは冬場を中心に秋から春にかけて多く流行する感染性胃腸炎の原因ウイルスの一種です。保育園・学校・高齢者施設などでは集団感染発生の原因にもなります。 ノロウイルスは人の口から体内に入って、腸の細胞内で増殖し細胞を破壊して急性胃腸炎を発症させます。嘔吐や下痢は1日数回、ひどい時は1日10回以上にも及びます。それ程高熱にはならず、症状も3〜4日と比較的短期間で収まりおさまりますが、合併症により症状が長引いたり、抵抗力が落ちている人や乳幼児、高齢者は重症化し死に至る場合もあります。特に高齢者は、嘔吐物がのどに詰まり窒息死したり、嚥下性肺炎を起こす場合がありますので注意しましょう。
ノロウイルス患者数は全食中毒患者数の半分以上
ノロウイルスは、全食中毒発生件数の約1/3を占めています。
それに対し患者数では半数以上を占めています。
それだけノロウイルスの感染力が強く一事件に多数の患者が出ていることを示しています。
ノロウイルスの発生状況
ノロウイルスは毎年10月から2月にかけて集中的に発生します。平成18/19年シーズン及び平成24/25年シーズンに多発しました。
平成25/26年シーズンは、事件数、患者数とも、現時点ではデータ的には平年並みではありますが、依然として、大規模な事案の発生等もみられます。
ノロウイルスの脅威
感染力が非常に強いのもこのウイルスの特徴です。
わずかな量が食べ物に付着したり、患者の排泄物が飛沫とともに口に入ったりしただけで感染してしまいます。
たとえば、患者から排出された大便の耳かき一杯ほどの量の中に、200万人を感染させるウイルスが存在するそうです。
ノロウイルスの特徴
ノロウイルスの特徴です。
- ヒトの腸管内のみで増殖する。
- 僅かな菌数(10~100個)で感染してしまう
- 経口感染、接触感染、飛沫感染など感染ルートが複数ある。
- その他のウイルスの1/4くらいの非常に小さいウイルスである
- ノロウイルスに一度感染した患者でも、繰り返し発症・感染する
- 症状がなくなってから3週間~1ヶ月もウイルスの排出が続くことが有る
- 食品従事者の体内にノロウイルスが発見されると食中毒事件とみなされる
ノロウイルスは非常に強力なウイルスです。
ノロウイルスの感染ルート
ノロウイルスは、いろいろな感染ルートを持っています。
例えば、二枚貝等のノロウイルスに汚染された食品を原因としてノロウイルス食中毒が発生(食品媒介)し、そのノロウイルス食中毒に感染したヒトから手指や環境を介して別のヒトへと感染(ヒト→ヒト感染)し、拡大することがあります。
また、反対に、ノロウイルスに感染したヒトが食品を扱うことで、食品がノロウイルスに汚染され、ノロウイルス食中毒事故が発生(食品媒介)することもあります。
ノロウイルスの感染経路で例年最も多いのが、食品媒介ではなく、ヒト→ヒト感染(伝播)によるものです。ヒト→ヒト感染は、感染者の糞便や嘔吐物とともに環境中に排出された後、再びヒトに感染することで継続して発生するのです。
ノロウイルスの対策
ノロウイルスは脅威ではありますが、注意敢行すれば予防・汚染拡大を防ぐことができます
ノロウイルスに対して正しい知識をしっかり身につけ適正な対策を徹底しましょう
- 徹底した手洗いを行う
- 食品の加熱調理 85~90℃で90秒以上行う
- 汚染拡大を防止するには施設環境の徹底した清浄を行う
- 個人の健康管理を徹底して予防する
- 適正な汚物の処理を行う